判例紹介

  • 2016.01.19 東京高裁決定
    収録 判例タイムズ1429号129頁,判例時報2311号19頁
    潜在的稼働能力
    「養育費は,当事者が現に得ている実収入に基づき算定するのが原則であり,義務者が無職であったり,低額の収入しか得ていないときは,就労が制限される客観的,合理的事情がないのに単に労働意欲を欠いているなどの主観的な事情によって本来の稼働能力を発揮しておらず,そのことが養育費の分担における権利者との関係で公平に反すると評価される場合に初めて,義務者が本来の稼働能力(潜在的稼働能力)を発揮したとしたら得られるであろう収入を諸般の事情から推認し,これを養育費算定の基礎とすることが許される」
  • 2014.06.03 東京高裁決定
    収録 判例タイムズ1410号111頁
    住宅ローン
    「抗告人は,相手方が住宅ローンを負担している自宅に居住しているところ,住宅ローンの負担には資産形成の側面もあるから,その負担分を婚姻費用の分担額から控除すべきであるとの相手方の主張は採用できないものの,これにより抗告人は,住居費の負担を免れていることになるから,抗告人の収入に対応する平均的な住居関係費として3万円を上記婚姻費用の相当額(24万円)から控除する」