判例紹介

  • 2020.01.23 最高裁判所第一小法廷決定
    収録 判例タイムズ1475号56頁,判例時報2454号18頁
    法的性質
    結論:「婚姻費用分担審判の申立て後に当事者が離婚したとしても,これにより婚姻費用分担請求権が消滅するものとはいえない。」
    理由:
    ①「婚姻費用分担審判の申立て後に離婚により婚姻関係が終了した場合…に,婚姻関係にある間に当事者が有していた離婚時までの分の婚姻費用についての実体法上の権利が当然に消滅するものと解すべき理由は何ら存在せず,」
    ②「家庭裁判所は,過去に遡って婚姻費用の分担額を形成決定することができるのであるから(前掲最高裁昭和40年6月30日大法廷決定参照),夫婦の資産,収入その他一切の事情を考慮して,離婚時までの過去の婚姻費用のみの具体的な分担額を形成決定することもできる」