「自宅マンションの賃料は月額330万円であり,抗告人がこれを負担していた。」
「義務者である抗告人が年収1億5000万円を超える高額所得者であるため,年収2000万円を上限とする標準算定方式を利用できない。」
「職業費,特別経費及び貯蓄率に関する標準的な割合を的確に算定できる統計資料が見当たらず,一件記録によっても,これらの実額も不明である。」
「本件においては,抗告人と相手方との同居時の生活水準,生活費支出状況等及び別居開始から平成27年1月(抗告人が相手方のクレジットカード利用代金の支払に限度を設けていなかったため,相手方の生活費の支出が抑制されなかったと考えられる期間)までの相手方の生活水準,生活費支出状況等を中心とする本件に現れた諸般の事情を踏まえ,家計が二つになることにより抗告人及び相手方双方の生活費の支出に重複的な支出が生ずること,婚姻費用分担金は飽くまでも生活費であって,従前の贅沢な生活をそのまま保障しようとするものではないこと等を考慮して,婚姻費用分担の額を算定することとする。」
「相手方が従前の生活水準を維持するために必要な費用は月額105万円程度(公租公課を除く。)とみるのが相当である。」
「本件に現れた諸般の事情を考慮すると,抗告人が相手方に支払うべき婚姻費用分担金は月額75万円(なお,この額は,相手方が自宅マンションに自己の負担なく居住を継続することができることを考慮すると,実質的には相当高額ということができる。)と定めるのが相当である。」